The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第4章 Serial killer ー殺人鬼ー
『っ……!?』
何故か頭に響いてきたその言葉に、私は身をこわばらせた。
「……悠?
どうしたの?」
私の僅かに零れ出たそれを感じ取ったらしいレイチェルが、私にそう訊ねてくる。
『…いや、何でもないよ……。』
「……そう。」
動揺してしまった所為か、少し返答が遅れてしまった。
だが、レイチェルはそこまで気にするふうでもなく、短くそう言った。
……一瞬だけ、何かが脳内を駆け巡ったような…走ったような……。
そんな気がした。
私は脳裏に浮かんでしまったそのイメージを、振り払うように頭を振って、レイチェルと共に倉庫を抜け、血の飛び散った殺人現場を抜けた……。