The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第4章 Serial killer ー殺人鬼ー
「…開いた。」
『やった‼
ここから出られるね……‼』
「うん。」
レイチェルは鍵を使って、さっきのドアを開けた。
私が嬉しくなって笑いながら言うと、レイチェルも微かに微笑みながらそう答えてくれた。
中にははしごがあって、レイチェルが先にそのはしごを下っていった。
私はそれに続いた。
…はしごを下った先にあったのは、小さな空間。
そこにぽつん…と取り残されてしまったかのように1つだけボタンがあった。
ボタンの上には、小さな文字で"EV[エレベーター]通路開閉ボタン"と書かれてあった。
『…ボタン、か……。
これを、押したら良いのかな?』
ボタンを見つめていたレイチェルに歩み寄りながら、その背後から声をかける。
すると、レイチェルはゆっくりと静かに私を振り返って言った。
「…うん。
押して良いと思うんだけど…。」
『わかった。
じゃあ、押しちゃうね…?』
「うん。お願い……。」
私は手を伸ばして、目の前にある赤いボタンを押した。
ーカチッ…ー
と、小さな音がしたが、それ以外には何も変化が無かった。
…私は少しだけ、不安になる。
『…これで、良いんだよね……?』
「…たぶん。これでいいはず……。
とりあえず、エレベーターのところへ行ってみよう…。」
『うん。
そうだね…‼』
レイチェルの言葉に、私は大きく頷いて言ったのだった……。