The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第4章 Serial killer ー殺人鬼ー
「…よし。
これで、あとはもう埋めてあげるだけだ。
…悠?どうしたの…?」
『…え。
あ……、ううん。
何でもないよ…。』
不思議そうに私を見上げて首を傾げて訊ねてくるレイチェルに、私は誤魔化すように微笑って言った。
…レイチェルのその表情は、前までと同じ。
先ほどの狂気は全くなく、13歳の少女にしては少し落ち着きすぎにも感じる、どうしようもない空虚感の残るものだった……。
ふと、視界の隅にキラリと光るものを見かけた気がした。
『…レイチェル、それは何…?』
私は、人差し指1本でレイチェルの近くに落ちていた、その煌めいた…おそらくは鍵であろう物を示した。
レイチェルは血や土で汚れてしまった、その細く白い指でそれを拾い上げた。