The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第4章 Serial killer ー殺人鬼ー
あの土の場所で、私は穴を掘った。
小鳥が入るだけの、小さな穴…。
…その最中、レイチェルが小さく、ぼそり…と呟いた……。
「…違う……。」
『…え?
どうしたの、レイチェ……』
「…この小鳥は違う。
こんなのじゃなかった……。
こんな姿じゃない。
こんな、可哀想じゃない……。」
『…レ、レイチェル?
レイチェ……。
っ!?』
私の声が聞こえていないのか、レイチェルは尚もブツブツと小さな声で何かを呟いている。
私は、そんな彼女を覗き込んだ。
…だが、レイチェルの顔を、表情を見て…凍りついた。
…なんて冷たくて、怖い瞳……。
その時のレイチェルの瞳には、無感情故の冷たさしか残っていなかったのだ。
「…あの小鳥に……"直して"あげる。」
狂気に満ちたような…そんな恐ろしい笑顔から、私は瞳を、顔をそらして見ていないふりをした…。
レイチェルは、先ほどと同じように鞄から裁縫道具を取り出して、針に糸を通した。
淡々と、真っ二つだった小鳥を縫いつけていく。
先ほどと同じ手つきで、淡々と、淡々と……。
違うのは、
もう小鳥が死んでいて鳴かないことくらいだろうか…。