The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第4章 Serial killer ー殺人鬼ー
ーガチャ…ー
ゆっくりとドアが開いていく。
…どうやらここには、何も無さそうだ。
それに、もう殺人鬼はいないようだ。
私は辺りをキョロキョロと見回した。
特にめぼしいものは無い。
…期待しただけ、ガッカリ感が大きいな。
なんだか、虚しくてしょうがない。
『…やれやれ。
なんだか損した気分だ……。』
私は、溜息を吐いて頭を左右に振る。
……だが、レイチェルはしゃがみ込んで何かをじっと見つめていた…。
『…レイチェル?
どうしたの、何か見つけた…?』
真剣な眼差しで何かを見つめるレイチェルのその小さな背中に声をかけると、レイチェルはゆっくりとした動作で私を見上げた。
「…これ。
EV[エレベーター]通路管理室って書いてある……。」
『え、それはすごい。
よくやったね、レイチェル。
…ここから出られそうかな…?』
下を見ることがなくて、見落としてしまっていた。
…なんとも情けない話だ。
レイチェルの言葉にそう答えた私に、彼女は残念そうに続けた。
「…たぶん。
でも、これ…。
鍵がかかっているみたいで、開かない。」
『…それは残念。』
ぬか喜びだったかぁ…。
苦笑しつつ私はそう思った。
何にせよ、そこの鍵を見つけなければならない。
明確な目標が出来ただけでも良しとしよう。
「…ねぇ、悠…。」
そんなことを考えていた私に、レイチェルが声をかけてきた。