The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第4章 Serial killer ー殺人鬼ー
さっき殺人鬼が消えていった方…
を、レイチェルは人差し指を1本立てて指さしている。
…正直に白状すると、気が引ける。
と、いうのも、
"殺人鬼と八合わせたらどうしよう…。"
と、私が思っているからだ。
…だが、このフロアの探せる場所は全て探した…はずだ。
あと見ていないのは、こちら側だけ……。
結局そういう結論に至った私は、唇を軽く噛んで、深く深く…溜息を吐いた。
『…はぁ……。
仕方ない、か……。
待たせてごめんね。
行こう、レイチェル。覚悟は出来たよ。』
「…うん。」
レイチェルの返答に私は1つだけ頷いてドアノブをひねった…。
…次にあの殺人鬼に出会ってしまったら、確実に殺されてしまう……。
私は、そんな不安に駆られて震えていた……。