The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第4章 Serial killer ー殺人鬼ー
ーガチャ‼ー
私のすぐ近くのドアが、少し乱雑に開け放たれた。
…あの男の声が聞こえてくる……。
「…ああ?
……あいつら、何処へ行きやがった?」
…レイチェル、どうか…見つからないで…‼
私には、レイチェルの無事を祈ることしか出来なかった……。
男は、置いてある物を壊しながら歩いていく…。
…ゆっくりと、男の足音と声が私から離れていく。
尚も私の心臓はバクバクと、五月蝿く脈打つ。
「…ちっ。
鍵かかってんな。…開けとくか。」
ーカチャー
ーガチャッ…バタン‼ー
男は物に当たりながら反対側にまで歩いて、開いていなかった部屋へと消えていった……。
『っ…。
…はぁ……。』
…私は、安堵して深く深く…肺の中の全ての空気を吐き出したのだった……。