The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第4章 Serial killer ー殺人鬼ー
男がそういうまでの間、私の頭の中はめまぐるしく回っていた……。
『っ……‼
レイチェル…っ‼』
この状況は、かなりまずい。
そしてこの男…。
この男は、かなり危険だ…。
本能的にそう感じた私は、動こうとしないレイチェルの肩を掴んで半回転させ、彼女の腕を半ば強引に引いた。
…逃げなくては……っ‼
幸い、私は化け物のように足が早い…らしい……。
…せめて、レイチェルをさっきの木箱に…っ‼
「…3、
…2、
…1、
ヒャハハハハハッ‼」
数を数える声、それから遠くで先ほど聞いたものと同じあの高笑いが聞こえた。
…私は急いでドアを閉じて、キッチンのようなあの血だらけの殺人現場を通り抜ける。
急いで次のドアを開いて、レイチェルを木箱の中に押し込んだ。
『…大丈夫だから、ここで待ってて?
声、絶対に出したり、私が戻るまで出ちゃダメだよ…?』
レイチェルを安心させようと、自分でもわかってしまうくらい、下手でぎこちない笑みを浮かべそう言う私に、レイチェルは静かに頷いてくれた。
私も急いで入ってきたドアの辺りの物陰に身を潜める。
荒くなった息を…早鐘を打つ鼓動を無理に落ち着かせながら、私は息を潜めた。
……見つかれば、確実に殺されてしまう……。