The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第24章 Who is me…? -私は…-
- ドルンッ!! -
低くて重い…__
金属の震える、エンジン音が響いた。
「ンフッ♡
色男、はっけ〜ん!!」
- ギャルギャルルル!!! -
男性の声で話す女性言葉。
鮮やかな赤が、チラチラと視界を掠める。
チェンソーのような武器を持ち、
特徴的な黄緑色の眼光を持ったそれは……____
「……グレル=サトクリフ……。」
セバスチャンが心底嫌そうな
低い声を漏らす。
そんな事をお構い無しに、赤髪の男性?は、
うっとりしたような声を上げる。
「こんな所で会うなんて…
アタシ達、やっぱり運命ね♡」
「気持ち悪いこと言わないでください。」
「……あぁん!!イイわ!!
素敵よ!セバスちゃん♡」
「…あっれ〜?
セバスちゃん居んじゃん。」
セバスチャンが吐き捨てた相手。
その赤い死神は、身を震わせた。
その死神の影から、軽そうな男性の声が聞こえた。
夕焼けの様な橙色の髪のその男性が、
弾んだ声をあげる。
こちらの男性も、死神特有の黄緑色の眼光…。
どうやら死神らしい。
「……あれ。
すんごい可愛い〜子連れてんじゃん!!
セバスちゃ〜ん!!
誰それ?今の契約者??」
……やっぱり、見た目通り軽かった……。
「あぁん!?!?
……セバスちゃん!!
アタシという女がいながら、
後ろに庇ってるその女は何よ!!」
「……嗚呼。
始まった。」
ヒステリックに叫ぶ赤い死神に、
セバスチャンが低く、心底面倒そうに呟いた。