The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第4章 Serial killer ー殺人鬼ー
ーバァンー
ーザシュッ…‼ー
ものすごい音がした後、小鳥の白い羽毛が舞い散った……。
「っ…!?」
『っ‼
な…!?』
小鳥は、真っ二つに切り裂かれて…地面に落ちていた……。
「ヒャハハハハッ‼」
レイチェルの目の前にいる男が、楽しそうに高笑いをする。
…その男が小鳥を切り裂いたのだと理解するのに、だいぶ時間を必要としてしまった。
機嫌が良さそうな男は更に続ける。
「…今、お前は、
満ちた顔をしやがったな。」
その男は、包帯で顔をぐるぐる巻きにされていて、表情や顔はよくわからない。
だが、声音や口角から…非常に楽しげだということは容易に理解出来た。
…その男が着ているパーカーには、おそらく彼のものではないであろう返り血のような赤黒いものが、シミになってこびりついてしまっている…。
同様に包帯でぐるぐる巻きにされたその手には、人をも簡単に斬れそうな、大きな鎌があった。
…その鎌で、小鳥を真っ二つに斬ってしまったのか……。
「…でも今は絶望だ……‼‼
今から3秒数えてやる。
だからさぁ、逃げてみろよ…‼
そして、泣いて叫んで、命乞いをしろ‼
もっと見せろ‼絶望の顔を…‼」
…狂ってる……。
そんなの、間違っている。
…何が、とか。
もう理性的に考える頭なんて今はない。
ただ、本能的に知っている…。
逃げろ…、と……。