The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第4章 Serial killer ー殺人鬼ー
「…待って。」
レイチェルがその小鳥を追いかける。
パタパタといたちごっこを繰り返すその様子は、少し微笑ましかった。
「…待って。
ダメだよ、逃げちゃ……。」
小鳥は尚も逃げて飛び回る。
「…大丈夫、怖くないよ。」
ーピーピーー
「…待って。」
ーピーピー‼ー
「……。」
小鳥は、木で打ちつけられた壁を背にレイチェルをじっと見つめる。
レイチェルはそんな小鳥に優しく微笑んで言う。
レイチェルは、そっと小鳥との距離を詰めた。
小鳥は、もう逃げる様子はない。
「怖くないよ。
一緒にここから出ようよ。
……ね?
さぁ、早くこっちへ…」
レイチェルが手を伸ばせば小鳥に手が届く距離になった時、しゃがみ込んだ。
そっと、ゆっくり小鳥へ手を差し伸べる。
レイチェルは、優しく嬉しそうに微笑んで、小鳥へと更に手を伸ばした……。
…と、その瞬間__