The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第22章 Way out -出口-
それに対して、レイが落ち着いた声音で
こう返答した。
「この部屋に出口は
"必要なかった"の。
つまり、
私の……このフロアは
1番後に、作られたもののはず。
だとすれば……
この部屋ができた時には、
外の出口は____
"既にあった"ということ。
ザックも私も、そして悠も…。
きっとそこから連れてこられたんだ。」
「…………。」
ザックは驚いたような表情をして、
レイの話を聞いている。
レイは更にこう続けた。
「この部屋は、外で私と出会ったダニー先生が
神父様に頼んで、あとから作られた部屋なの。
だから、1Fと繋げなかったんだと思う。
……降りてくる人を、"私が1度も見ていない"のは、
その証拠だよ。」
「よくわかんねぇけど、
下に降りれば良いんだな?」
少し戸惑った様な様子を見せたザックは、
わしゃわしゃと頭を掻いて、そう言った。
「…うん。
地下に降りるためのスイッチなら
このフロアのどこにあるか、覚えてるし……。
…それで、大丈夫なはず。」
「…お前が言うなら、
そうなんだと思うぜ。
__行くぞ!」
「…うん!」
『…ん、行こう…!』
ザックの力強い言葉に、私達も強く頷くのだった。