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The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第22章 Way out -出口-





今度は、室内を歩き回るレイを
ザックがじっと見つめている。


「誰もこのフロアに、
外から降りてきていない。

けど、ダニー先生は外に出入りしてた。

……と、いうことは。」


レイの言葉に私は確信して頷く。


『…こことは別のフロアに、
出入口があるんだね……?』

「そう。そうだよ、悠!!」


レイの言葉によって答えの絞られた私は、
それをそのまま口にする。

するとレイが。
コクコクと頷きながら、私に同意してくれた。


「ザックがここに来た時、
他の殺人鬼……。

キャシーやエディは、既にこのビルにいた?」

「あぁ?
……おう。

キメェから、ほとんど話さなかったけどな。」

「…やっぱり。

なら、
…私はこのビルに最後に来たと言うこと。

……だったら、」


そこで一旦言葉を切ったレイは、
自身を落ち着けるように1度目を閉じた。

暗い青の瞳が、隠される。


……ここまで来たら、もうわかる。

レイはザックと私を振り返って、静かに…
けれども力強く言った。


「……ザック、悠。
下に降りよう。」

『…うん、そうだね。』

「はぁ!?」

『ザック、レイが考えている様に、
たぶん、下に出口がある。』

「わけわかんねぇよ!!
なんでなんだよ!!

2人して、話を勝手に進めんなよ…!!」


私の声に、ザックが再び声を荒らげた。



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