The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第22章 Way out -出口-
『…まずは、
本当の出口が何処なのか、
考えなくてはいけないね…。』
「どっか行ったことない場所とか、
このフロアにねぇのかよ。」
私の呟きに続いて、
苛立った様に辺りを歩き回っていたザックが言う。
「…この、フロアで…。」
レイが静かに考え込む。
そして再び口を開いた。
「…いや、
ここ以外は、トラップを仕掛けるのに、
隅々まで調べてるから……。」
「……流石だな、お前。」
『…それにしても、
セバスチャンはまだかな。
……出口を、調べさせているのに…。』
「何かに手こずっているのかも。
…こちらからも何か探した方が良いね。」
2人のやり取りに小さい笑いを零しながらも、
ふと疑問に思ったことを口にすると、
私をチラリと見たレイが、静かにそう言った。
『…そうだね。
頑張って考えよう!』
私は再び気を引き締め直したが、
レイは既に、1人、思考の世界にのめり込んでいるようだった。