The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第22章 Way out -出口-
「……行き止まり?」
レイが困惑した声を上げる。
私は慌ててレイに声をかけた。
『…でも、何かあるかもしれないよ?
とりあえず、探してみよう?』
「……うん。」
眉根を寄せて困惑した様子のレイ。
私は辺りを見回してみるも、
その小さな部屋には……
立ち入り禁止のバリアリール、
空の段ボール箱、ゴミの入った段ボール箱や、
空のゴミ箱があるだけだった……。
何一つ、目星いものがない……。
「おい。
何にもねぇじゃねぇか。」
「おかしい……。
そんなはずは……。」
『……ここは、レイのフロアなんだよね…?』
ザックとレイの会話に、私も声を挟む。
ザックとレイが私を一瞥して、会話を更に続ける。
「そーだよ。
レイ、ここはお前のフロアなんだろ?
なんか考えろよ。」
「……うん。」
『私も一緒に考えるよ、レイ。』
「ありがとう、悠。」
ザックの問いかけにレイが静かに答えた。
私もそう声をかけると、
レイはそっと微笑んで、同様に静かな声でそう返してくれた。