The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第4章 Serial killer ー殺人鬼ー
『…っ!?
あ、危な……。』
私は、驚いた声を上げた。
小鳥がいたさっきの裏路地から出て、レイチェルの後ろに続いた私が、血だらけの場所に戻った時…。
裏路地への道が天井から出てきた壁によって塞がれたのだ。
「…塞がっちゃったね……。」
『…そうだね。
危ないな、全く…。』
「…あ……。」
私がレイチェルの声に溜息混じりにそう言った時、レイチェルが静かな声を洩らした。
レイチェルが抱いていた小鳥が、彼女のその細く小さな腕をすり抜けて、逃げるように小さく羽ばたきながら飛んでいく。
だが、片翼が変形したままで治ってはいないので、そう簡単には飛んではいけない。
…なんだか、哀れだな……。
私はそんな小鳥の逃げ惑う様子を見て、そう思った…。