The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第20章 The truth -真実-
「…あぁ、レイチェル!
君の瞳は、その瞬間が1番美しいよ!
ザック、すまない!
君を逃がすと言ったが、ダメだ!
__僕の有線すべきは、今のレイチェルの望みなんだから!」
「………。」
レイは私達を見つめた後、
脱兎の如く駆け出した。
「……さぁ、
生きるも死ぬも、彼女を追いかけるしか道は無くなったよ。
ザック、悠…!
僕は彼女の望みのために、お手伝いさんにでもなるよ!」
ダニー先生は興奮気味にそう言い残して、
レイを追いかけて行った……。
「あぁあああ!!
くっそ、待て!!
…悠、走れるか?」
ザックの問いかけに、私は首を左右にゆっくりと振る。
『…ごめん、先に行って。
私は動けそうにないわ。』
……極度の疲労で、身体は悲鳴をあげている。
もう限界みたいだ。少し、休まないと……。
「……ここで待ってろ。
レイをどーにかする!
…死んだら、許さねぇからな…!」
私をそっとソファーの傍らに下ろしたザックはそんなことを言う。
『…うん、約束だ。
……待ってる。』
「……おう。」
ザックは、私の返答に対してそれだけを言い残して、
レイを追いかけて行った。
私は、去っていく彼の背を、
ただ見つめることしか出来なかった……。