The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第20章 The truth -真実-
「心のどこかで、
ザックと悠を、"自分のモノ"にしたいと思っているんだろう!?
あぁ…!!
最低で、最高だね!!」
-バァンッ!!-
「…っ!!」
『ザック…!!』
再びダニー先生の拳銃が火を吹いた。
私は叫ぶも、こうも近距離で…
その上、ザックは大きな怪我を負っている。
……避けきれなかった。
「もう真実は覆らない。
レイチェルがもう戻れないし、どこにも行けない。
……結果的に、彼女は君達を騙したんだよ。
さぁ、ザック____
道を選ぶ時だ。
このままここで殺されるか、
"レイの神様"を降りて、1人でここを出ていくか____
……どうする?」
「…あ?1人で…だと?
悠は、どうなるんだよ。」
「…悠は……。
そうだよ。
悠の瞳は、何色にもなれる。
アレキサンドライトみたいに…2色じゃ足りない……!!
7色の光を放つ、美しいダイアモンド……っ!!
……あぁ、
研究し尽くしてみたいなぁ……。
……ザック。
悠も、悠の瞳も……。
君だけにはやらないよ……。」
……それは、あなたに決められるようなことじゃないでしょ……。
そう思いつつ、私は聖書を両腕で抱き抱えて、立ち上がった。
ザックはそんな私を一瞥して、
再びレイに問いかけた。
「……レイ。
ダニーの言ってることは、本当か?」
「………。
………えぇ。
そうだよ、ザック。」
長い沈黙の後に、小さく静かに……レイが言う。
ザックは更に問いかける。