The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第19章 Ray -レイ-
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「すっと、3人と、子犬で遊んで……。
楽しかった。
だから、警察がみんなを連れて行った時は、
悲しかった……。」
……私がそう話し終えて、息をつく。
すると、ダニー先生がふっと微笑む。
「……そうなんだね
レイチェル、君の悲しみはよくわかるよ
……あと、もう1つ
きかせれくれないかい?
その後、
君が入った保護施設でも、小さな動物が死んだね。
……それは、なぜだか知ってるかい?
__君がやったのかい?」
…私は、ダニー先生を見つめたまま、
静かに答える。
「…………えぇ。」
答えた私に、ダニー先生は再び訊ねる。
「……ねぇ、
どうして、そこでも手をかけたの?
可愛がっていたと聞いたよ…?」
「……。」
私は返答に困って、
少しの間考え込む。
「…可愛がってた。
…うん、そう…。
すごく、大好きだった。
……でも、ダメだったの。」
私の返答に、
ダニー先生は不思議そうに少しだけ首を傾げた。
「……ダメだった?」
「…うん。
__欲しくなったの。
家族に出来たらいいなって……、
__"私のモノ"なら、いいなって……。
……でも、なんでかな。
何もかもが、上手くいかない。」
「…………。
……上手くいかない、…か。」
私の言葉に対して、
ダニー先生は静かに、そっと…そんな言葉を零した。