• テキストサイズ

The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第19章 Ray -レイ-






「……大丈夫。
怖くないよ…。

何にも、心配いらないよ。

ねぇ、だって…。
こうするしかないものね…。」



私はそっと…
あやす様に子犬に話しかける。


-ガチャ-


……お父さんが、私の部屋に入ってきた。



「…親父を、イカれていると思うか?レイ。
でもな、レイ。お前も一緒だ。

部屋に逃げ込んで、
そんなものに話しかけてるお前は…
どうかしてる。

…その箱を開けてみろ。ん?」

「…………。」


私は黙ったまま、お父さんをじっと見つめた。
そして、そっと箱を開ける。


「…あぁ、お前もやっぱりイカれてる。
なんだ、その犬は!?
ツギハギだらけの死体だ!」


お父さんは、1歩、また1歩……と、
まるで瀕死の獲物を追い詰めるかのように
ゆっくりと私の方に、歩を進める。


「……どうせその犬____

お前が殺したんだろう。」

「…………。」

「引き裂いた腹を縫って、口を縫って…
心地良かったか…!?」

「……違う。
この子は、"私のモノ"になっただけ。

理想の、私の子犬。
__ねぇ、お父さん。」




/ 373ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp