The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第3章 Floor B6 ー地下6階ー
「…私、お裁縫が得意なの…。」
レイチェルが鞄から取り出したのは…ソーイングセットだった……。
そう。
所謂、裁縫道具…。
そこまで細かいものはなく、針と糸…それから糸切り鋏……。
それだけが入っている、簡易的なもの…。
…ねぇ、レイチェル……。
まさかとは思うけど…。
それで小鳥を…
その、縫っちゃうつもり…?
流石に、それは……。
ーピーピー‼‼ー
『っ…‼』
麻酔とかなしで縫ってしまうのは、流石に痛いだろう。
小鳥も激しく鳴いている。
私は、その現状から、堪えられなくなって瞳をそらした…。
…なんだか、その"痛み"の絶叫は…私にとって苦痛だった。
何故だかわからないが、その感情は苦痛以外の何物でもなかった……。