The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第18章 Cooperation -協力-
「……何も起こんねぇじゃねぇかよ…!!
あの神父、嘘つきやがったな!!
許さねぇっ!!」
『ざ、ザック……。落ち着いて。
…もしかしたら、かけるドアが違うのかも……。
神父様が言っていたでしょう?
"部屋の持ち主の扉にかけるもの"だって……。』
私はフックからそのネームプレートを外して、
奥のドアへと移動する。
……見てみると、
そのネームプレートには、2人の男女と思われる名前が書かれてあった。
姓が同じなので、
おそらく、神父が言うように
夫婦か、もしくは兄弟などの血縁者か……。
どちらかだろう。
……まぁ、気にしたところで、
現時点での問題の解決にはならないし、
正直、どうでも良い。
慎重に歩きながら私はそんなことを考える。
そして、奥の方のドアの前に立って、
そのネームプレートを再びまじまじと見つめた。
……それにしても、この男女……。
姓が"ガードナー"なのが気になる。
……レイと、同じ……____
「…おい、何やってんだよ。
早く開けろよ。」
『…あ、ごめん。
ちょっと、考え事をしてた。』
「……何かを考えてる暇なんざねぇだろ。」
私の耳に届いたザックの声に、
考え事をしていた私は、現実へと意識を一気に引き戻された。
慌ててネームプレートをかけてそう言うも、
ザックには、少し不服そうにそう言われてしまった。
……正直、
言い返す言葉を持ち合わせていない。
……ザックに論破されるとは……____
- カチッ… -
『……あ。』
「……開いたな。」