The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第18章 Cooperation -協力-
私はよく見ていないので、確認はしていないが、
この2枚のプレートは、人物の名前が書いてあるらしい。
このネームプレートは、部屋の持ち主のドアにかけるものだと、神父が助言をくれた。
……所謂、表札……のようなものなのだろうか。
「…つっても、こんなもんかける場所なんかあったか?」
『……うーん。
…さっき、ザックが進もうとしてた場所……。
まだ確認もしていないし、あそこが気になるね。』
「……おー。
んじゃ、行くか。」
『…うん。
罠、あるかもしれないから…気をつけようね。』
「あぁ、
わぁーってるっての。」
私達は再びキッチンへと戻り、
階段を上った。
- …ミシ…… -
- …ミシ…ミシィ…… -
2階のその廊下は、
どうやら床板が腐りかけのようで、
私とザックが歩く度に、木が軋む…嫌な音がした。
慎重に歩いて、ドアの前に立った私とザックは、
目の前のドアを眺める。
「……あぁ?何だこれ。
どーやって開けんだよ。」
そのドアにはドアノブが無く、
フックのようなものが1つついている。
……どういう仕組みなのかはわからないが、
おそらく、ここにネームプレートをかけたらドアが開くのだろう。
『…ザック。
どっちでも良いから、このフックにネームプレートかけてみて。』
「あぁ?
これをかけたら、開くのか……?」
私がザックにそう言うと、
ザックは適当に手に触れたネームプレートをフックにかける。
『……。』
「……。」
____……何も変化が起きなかった。