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The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第18章 Cooperation -協力-




神父の言葉の意図が読めず、
困惑する私の思考を、
ザックの声が鋭く引き裂いた。




「……全部、見てるっつーのかよ。
えぇ?神父さんよぉ。」


「そのつもりだったが__
気にくわぬのなら、それは詫びよう。」


「…くだらねぇ。
謝られたって、なんの足しにもなんねぇよ。

……おい、もう行くぞ、悠。
こんな所で時間を潰してる暇なんかねぇんだよ。」


くるりと半回転して、歩きだそうとしたザックに
私が頷いて続こうとしたその時、
神父が私達にこんな言葉を投げて寄越した。




「__少し、手を貸してやろうか?」




そんな言葉に、
ザックは戸惑ったように立ち尽くす。
私はそんなザックに代わって、
言葉を返した。




『…貴方に、利益があるとは思えませんが。』


「…いや、あるぞ。

先程も言ったが、
事が進まないのは、つまらないものだからな。
どうにもならない時は、多少の助言はしてやろう。

……そのかわり、
私はお前達の行動を、この目で確認させてもらうがな。」


「…………。」



立ち止まったザックは、考え込むような素振りを見せて、
黙り込んでいる。

そんな様子を知ってか知らずか、
更に神父はこう続ける。



「__お前達がどう出るか、
何になろうとしているのか、
何者なのか____

……私は見たいのだ。」



「……わぁったよ。
もう良いだろ。行くからな……。」



神父の言葉に、ザックは呆れたような、
退屈そうな声をあげる。
そしてそのまま行こうとするも、
再び神父に呼び止められた。




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