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The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第17章 Confirmation ー確認ー





「腹減ってんのか?
よだれまみれで汚ねぇんだよ。」

『ざ、ザック……。
危ないよ……。』

「……悠、下がってろ。

…おら!
噛むなら、叩いてやるぞ……!!」

『ザック…………。』


心配して、尚も食い下がる私を、
ザックは自身の背中に庇って静かに言ってから
体制を低くして、続ける。


「やられんのは嫌ってかぁ?
……ぶっ殺してやるよ!!」


ザックが続けてそう叫ぶ。
それとほぼ同時に、犬達が飛びかかってきた。


ーガウッ!!ー

「痛っ!
この野郎…!!」

『ザック……!!!!』


1匹の犬が、ザックに噛み付く。

私の悲痛な叫びは届いていないようで、
ザックは噛み付いた犬を振り払う。

……しかし、


ーガヴッ!!ー


「痛ってぇ!!」


またすぐに別の犬が
ザックに噛み付いた。

その犬も振り払って離したが、
またすぐに別の犬が噛み付く。


ーガウウッ!!ー


「噛んでんじゃねぇよ!!」


投げ飛ばされて
壁に身体を打ち付けた犬達は、
少しの間ふらふらしていたものの、
すぐに正気を取り戻したようで
再び唸りながらザックを睨みつける。


ーヴヴヴ……ー


ところが、
1匹だけ私の近くに飛んできたようで、
ザックよりも近くにいる私に向かって唸る。

他の犬も、
私に気づいたのか
身を低くしてこちらをじっと見ている。


……今にも、
飛びかかってきそう……。


もし飛びかかってきたらどうしようか。


そんなことを考えていると、
そこにザックの声が響いた。


「…おい。
悠に手ぇ出すんじゃねぇよ。

そこにいると、邪魔なんだよ……。」




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