The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第17章 Confirmation ー確認ー
……前言撤回。
ただ、好き勝手にやってるだけだ。
この殺人鬼……!
『わ……。
ちょ、首がもげる……!!!!』
「…あ。
悪い。力加減わかんねぇんだよ。
にしても……、
お前の首、細すぎんだろ。
本当にもげちまいそうだな……。」
ザックは私の首筋を
優しくすっと撫でた。
『っ……!!
も、もう行こう!!
変な罠が来てしまう前に……!!』
くすぐったくて……。
急に照れくさくなって……。
私は慌てて、再び奥にへと進もうとした。
「お、おい……。」
奥に進む私を
ザックが少し戸惑いつつも追いかけて来た。
…と、その時……。
ーガッシャン!!ー
『っ…!?』
「な、なんだ…!?」
先程私達が通ってきた入り口の方から、
大きな金属音が聞こえて、
幾つかの足音が近づいてくる……。
ーオオーン!!ー
ーハッ、ハッ、ハッ…ー
ーバウッ!!ー
遠吠えが聞こえる。
急に強くなった獣臭……
荒い呼吸音……。
それは、
大きな、大きな……。
狼みたいな大型犬だった……。
大きな犬のような獣が、
3匹……
すかさず私の前に立ったザックを睨みつけながら、
ゆっくりとこちらへ歩み寄る。
口からは大きく真っ赤な舌が
だらしなく零れ、
鋭い牙が見え隠れしている。
荒い息遣いと共に、
ゆっくりと私達忍び寄る
3つの大きな影達……。
「……おいおい、でっけぇ犬だなぁ……。
どうなってんだ、ここはよぉ……。」
ーバウッ!!ー
ーワンッワンッ!!ー
ーグルルルルル……ー
その影達は、
ザックの声に反応するように
唾液を撒き散らしながら吠えた。