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The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第17章 Confirmation ー確認ー





『……ねぇ、ザック。

 ……ザックってば…‼』

「……あ?」


叫ぶと、
ようやくザックが、私の方を振り返った。

私は無性に腹が立って、
ザックの隣に並びながら
ザックに不満をぶつけた……。


『どうして無視するの!?
 どうして、先に行っちゃうの……っ‼』

「……。」

『……答えてよ。

 ザックの言葉で、
 ちゃんと答えてよ……。』


返答をせずに顔を伏せて、
再び無言で階段を昇り始めるザックに、
私は責め立てるような口調で続ける。

そんな私に視線を戻したザックは、
困惑したような口調で、
迷いながら言った。


「……なん、つーか……。

 お前と、しつじ…見てたら……。
 なんか、ここら辺が苦しくなって……。」


ザックがグッと、自身の服の胸元を掴みながら、
静かに言う。

ザックの様子の変化に、
私は戸惑った……。

ザックは、階段を昇る途中で立ち止まり、
壁にもたれかかった。

その表情は、
困惑し…戸惑い……
なんだか、疲れているようにも見えた……。


『…ザック……。
 大丈夫……?

 何処か、悪いの……?』

「……近寄るんじゃねぇ。

 …なんか、
 イライラしてんだよ。

 お前に怪我させたくねぇから、
 今は、近寄んじゃねぇ……。」


何かを堪えるように、
低く呟かれたその声音は……

本当に、苦しそうで……、
私は、胸が締めつけられた……。


……私の所為……なの…………?




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