• テキストサイズ

The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第17章 Confirmation ー確認ー




『……わかった。
 少し、距離を置くね……。』

「……待てよ。」


悲しくなってしまい、
私がそう小さく呟いて離れようとすると、

ザックに腕を掴まれてそれを阻まれた。


『……え。』


次の瞬間……____

私は、ザックに抱きしめられ……、
ザックの腕の中に閉じ込められた。


……近寄るなって、
言ったくせに……。


そう思いながらも、
私は宥めるようにザックの背中を撫でた。


「……こうしたら、落ち着くんだよ。

 お前の体温とか…、匂いっつーか……。
 すげぇ、落ち着くんだ……。」

『……そう。
 少しでも落ち着くのなら、良かった……。

 ……ねぇ、どうしちゃったの、ザック……。』

「……わかんねぇ…。

 ……わかんねぇ、けど……。
 お前としつじが話してるの見たら、

 しつじが、お前に触れてるの見てたら……。
 イライラして、しつじを殺したくなっちまった……。」


少し落ち着いたのか、
ザックの声は、幾分か……穏やかになっていた。


「……もう少しだけ、
 このままでいて、良いか……?」

『……うん。
 良いよ……。』


互いの呼吸音以外には、
何も聞こえない静寂の中で……、
私達はお互いの存在を確かめ合うように、
しばらくの間、抱きしめあっていた……。



/ 373ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp