The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第17章 Confirmation ー確認ー
『……と、
とりあえず……。
罠があることはわかったから……、
気をつけて進もう。
……ね?』
私が2人に言うと、
2人は口々に返答を返してくれた。
「……おー。」
「畏まりました。」
2人のそんな返答に、
私は1つ頷いてから、気を引き締めた。
……動けば、
必ず、矢が飛んでくるのだろう。
細心の注意を払っておかなければならない……。
困って溜息を零した私の鼓膜を、
セバスチャンの低い落ち着いた声が震わせた。
「……私が先に行き、
仕掛けを破壊して参ります。
お嬢様は、ここでお待ちを……。」
『……うん。わかった。
任せるよ、セバスチャン。
……気をつけてね。』
セバスチャンの声にそう返した私を見て、
セバスチャンは小さく微笑った。
何が可笑しいのか……。
不思議に思い首を傾げるも、
セバスチャンは答えてくれそうにない……。
「……お嬢様。
ただの執事に、心配などはご無用ですよ。
お嬢様はただ……
命じてくだされば良いのです。」
……ああ。
そういうことか……。
私は、セバスチャンの薄い笑みに苦笑した。
『……君は、昔からそうだね……。
頼んだよ、セバスチャン。』
「… Yes, my load.
お嬢様とフォスター様は、
矢が当たってしまわぬように、
しゃがんでいてくださいね。」
『……うん、わかったよ。』
「言われなくても、そうするっつーの‼」
セバスチャンの声に頷いた私だったが、
ザックが不機嫌そうに叫んで、私の隣に腰を下ろしたので
思わず、笑ってしまった。