The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第17章 Confirmation ー確認ー
「……何笑ってんだよ。」
『別に〜?』
「……あ?
何が、"別に〜?"……だよっ‼
言えよ……‼」
『もー。
いいじゃん、別に〜……。』
ザックと私で言い合いをしていると、
ーヒュッ…ー
と、頭上を何かが掠めるような音がした。
座り込んでいた私達の頭上を、
十数本の矢が、通り過ぎていったのだ。
それから少しして……、
向こう側から、セバスチャンの声が聞こえた。
「……終わりましたよ。
仕掛けは、破壊いたしました。
もう安全ですよ。」
『ありがと、セバスチャン。
……ほら、ザック。
もう行けるよ……?』
セバスチャンに答えてから、
ザックにそう言うと……
ザックは不機嫌そうな表情のまま、立ち上がった。
そんな彼に少しだけ苦笑して、
私達は、ここへ上がってきたエレベーターの前にまで歩いた。
……そして私は、
セバスチャンに向き直って、
モヤモヤとした胸の中の蟠りを……
彼にぶつけるかのように……。
真っ黒な私の執事に訊ねた。
『……セバスチャン。
君は……、
何か知っているな?
……答えて。』