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The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第16章 Floor B1 ー地下1階ー






ダニー先生は、
少し考え込むように、間を開けて……
こう続けた。


「……そうだなぁ、ザック。
 開けてもいいんだけど……、

 まだ、その時じゃないから……。

 ……ねぇ、レイチェル。

 ……あぁ、
 早く目を覚まさないかな……。

 そうしたら次は……、
 悠、君の番なのに……。」

『っ……!?』


ダニー先生の、嬉しそうな笑みを含んだ声に、
私は身を震わせた。


……その時って、
何……?


ーガンッ‼‼ー


私の不安を打ち消すように、
ザックがドアを殴りつける音が響いた。


「……おい。
 好き勝手言ってんじゃねぇよ……。

 お前の好きになんか、させねぇ……。

 悠にも、レイにも……、
 何かしたら……

 殺すぞ……‼」

『……ザック……。』


ザックのそんな声が、
そんな言葉が……、

とても心強かった……。

でも、
その込み上げてきた微かな嬉しさを打ち消すように、
ダニー先生の声が響いた……。



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