• テキストサイズ

The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第16章 Floor B1 ー地下1階ー






『……。

 ……ザック、降ろして。』

「…あ?
 ……おー。」


私がザックに小さく言うと、
ザックも私の雰囲気の違いを感じ取ったのか、
素直に私を降ろしてくれた。


私は、青ざめた表情で俯いているレイに、
静かに歩み寄る。

……と言っても、
足がまだしっかりしておらず、もつれそうになるため、
歩く速度はひどくゆっくりだ……。


「……レイ。
 さっきから、どうしたの?」


レイが何かに怯えているのを……、
ザックはきっと気づかない。

セバスチャンは、
気づいてはいるものの……、
彼は声をかけたりはしないだろう。


レイは、
何をそんなに怯えて、
何をそんなに思いつめているのか……

私は訊ねてみた。


……すると、
レイは青ざめた顔を、
ゆっくりと私に向けた。

そして、震える声で言った……。


「……私は、
 生きていちゃ……ダメなんだ……。」

『……え?』


レイは側に立っていた私の横をすり抜けて、
迷わずザックの方にへと駆け寄った。



/ 373ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp