The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第15章 Trial ー裁判ー
グラリ……。
と、唐突に揺れて、
私は一瞬驚く。
ザックがいきなり歩き出したので、
身構えていなかった私は、
大きく揺れてしまった。
一応セバスチャンに、
"助けろ。"
と、不服そうな視線を送ってみせたものの……、
彼は愉快そうに、クスクスと
ただ微笑っているだけだった……。
私達は、エレベーターの外にへと足を踏み出した。
……B1、か…。
そろそろ、地上に出られるのかな……。
私は、ついに辿り着いた、"B1"のそのフロアに
"希望"とも言えるような、
明るい感情を思い起こさせた。
……このフロアにどのような物があるのかは知らないが、
とにかく、進んで行くしかない。
どんな危険が潜んでいようとも……だ。
慎重に、
だが、確実に……。
進んで行きたいと、私は思う……。