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The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第15章 Trial ー裁判ー





「いよいよB1か……。」

『……そうだね。』


ザックの声に、
私はザックの腕の中で小さく呟く。

半ば諦めた私は、
その光景に、だいぶ恥ずかしさを感じなくなっていた。


……この時の私は、
レイが浮かない顔をしているのに気がついた。

レイは、エレベーターの中で、
青い顔をして俯いている……。

薄暗いエレベーターの中でのことだから、
より一層、顔色が悪く見える。


『……レイ、大丈夫?』

「……あ?
 レイがどうかしたのかよ……。」

『ザックは良いの‼
 ガールズトークなんだから……っ‼』

「あぁ?
 隠し事してんじゃねぇよ‼
 言えっての……っ‼」

『だからぁ〜。
 ガールズトークだって言ってんでしょ!?』


私の声に、ビクリ……と小さく肩を震わせたレイは、
そっと……青ざめた顔で私を見上げた。

その後、ザックが私に声をかけてきて
結局レイは何も言えなくなってしまった……。


『……レイ?』


もう1度問いかけるも、
レイは口を小さく開閉させるだけで、
何も言わない……。

……というより、
どう言っていいのか、
言ってもいいものなのか……

迷っているようにも見受けられる。



「…私は……。
 ……別に。」

『……そっか。』


何かを言いかけたように見えたレイは、
それだけを言って、再び口をつぐんでしまった。

私は、何も言うことが出来ずに、
短くそれだけを言う。

……そこで会話が終了し、ちょうどエレベーターが着いた。



「……ガールズトーク、っつーのは、
 もう終わったのか?」

『ん?
 ……あぁ。
 まぁね……。』

「……そーかよ。
 んじゃあ、行くぞ……。」

『わ……!?』



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