• テキストサイズ

The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第14章 Floor B2 ー地下2階ー





悠を抱きしめたまま、
俺はしばらくの間、うとうとしていた……。



「……ああ、生きているんだね。
 良かった。

 ……でも、こんなに弱ってしまって……。

 とどめを刺してあげようか…____2人とも。」


「……っ!?」


聞き覚えのある声に、俺はハッとして身構えた。


「____やぁ、おはよう。」

「……なんで、
 テメェが生きて……。」


思わず驚いた声を洩らすと、
ダニーはふっと笑った。


「……はは。驚いたかい?

 君がレイチェルや悠を追いかけて、
 フロアから出ようとしていることを、僕は知っていたんだよ。

 だから念の為にね、服の下に安全対策の
 チョッキを着ていたんだよ。

 ……でも、防弾チョッキも、
 持っていた輸血パックも……。
 威力負けして、この有様だけどね。」


ダニーはさして堪えた風もなく、
肩をすくめて笑いながら言う。

俺は、グッと鎌を握りしめる。


「……じゃあ、もう1回……

 斬り殺してやるよ……。」


こいつを殺しておくにこしたことはない。
……悠や、レイを護るためにも、
殺しておいた方が良いんだろう。

……だが、
意に反して…身体が思うように動かない……。


クソッ……。
どうなってんだ、これはよぉ……。


平気だと思い込んでいたが、
案外……疲れが溜まっていたのかもしれない。



/ 373ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp