The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第14章 Floor B2 ー地下2階ー
Side of 悠
『…っ……。
ん……?』
痛みで、目が覚めた。
……あれから、
どれほどの時間が経ったのだろうか……。
私の周囲には、血液が乾いて、固まってしまっていた……。
……自分のものとは言え、
気分が悪いな……。
「……悠?
お前…、大丈夫なのかよ。」
『……え。
ザック……どうして、ここに……?』
私の頭の方から降り注いだ声に、
私はゆっくりと、声の主の方にへと顔を向け訊ねた。
「……手負いのお前を、1人にしておけねぇだろうがよ……。
それに、
レイにここにいてくれって言われた……。
…………確かに。
この身体じゃ、足でまといなのかもな。」
そう吐き捨てたザックは、
明らかに不機嫌そうだった。
……まるで、
"自分はまだやれる…____"
そう思っているようで……。
『…………ザック。
…ありがと。』
「あぁ?
……んなこと、助かってから言えよ。」
ザックは、そんなことを言いながら
私の頬をそっと撫でた。
ざらついた…その感触は、
何故か不思議と、不快ではなかった……。