The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第14章 Floor B2 ー地下2階ー
「……変ですね。」
セバスチャンが小さな声で呟く。
……それもそのはず。
鏡の破片は、私達を避けるかのように舞っては、
大きく派手な音を散らせて、
床にその残骸を落とした。
……何かが、破片に映ってる……?
「っ……‼」
私は鏡の破片を拾い上げてみて、驚いた。
……破片には、
先程まで鏡を見つめていた、
私とセバスチャンの姿があった……____
「……それが、"己の破片"……ですかね。」
「……そうみたい。
…………変な鏡。」
「……ええ。
全くですね。」
セバスチャンが私の手元を覗き込んで言う。
私は、呟くようにボソリ…と、そんな小さな声で言った。
セバスチャンは、ふっと笑って、
私に同意してくれた……。