The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第14章 Floor B2 ー地下2階ー
扉を押し開けて、中へ入ると……
左右の壁際に、カーペットに沿うようにして
微かに、紫色の妖しげな炎を揺らす蝋燭が
並べられていた……。
……こんなもの、あったかな……?
そんなことを考えながら、
その薄暗くて奇妙な廊下を歩いていくと……
突き当たりの壁には、立派で豪華な装飾の施された、
大きな長方形の姿見があった……。
「……おや。
またですか…。」
セバスチャンのそんな声に、視線を上にへと上げて、
私はドキリ……と、心臓が止まりそうになってしまった。
……姿見の上方に、
先ほどと似たような白い文字が
浮き上がってくる……。
=____己の姿をしかと見よ=
=生け贄か、迷えるものか=
=……それとも悪魔か=
=ただ神が望むは、偽りのない姿である=
……己の、姿を見よ……?
やっぱり、よくわからない……。
さっきと同じ。
まるで、私を責め立てるみたいな文章……。
私は困惑して首を傾げた。