The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第14章 Floor B2 ー地下2階ー
=____罪を吐き出せ=
=小さなビンにでも良い=
=それは"証"となる=
=そして証を見つめ、己は何を思う=
=穢れを知るための扉は開かれた=
不可解で、意味の読み取ることの出来ないその文章に、
私は困惑した。
"罪"という単語に、
私の鼓動は五月蝿いほどの早鐘を打つ。
バクバクといつもよりも早く脈打つ……____
このビンに……
罪を、吐き出す……?
どういうこと?
ー……カチャリー
ザワザワと音を立てて騒ぐ私の心に
終止符を打つかのように、
小さな音が響いた。
……何処かで、鍵が開いたのかな……?
辺りを見回すと、
そこにはまた2つ……
何事も無かったかのように、扉が並んでいた。
私はおそるおそる、右側の扉のドアノブをひねった。
……するとこの扉は、すんなりと開いた。
……おそらく、
先程の音は、この扉が開いたものだったのだろう……。