The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第3章 Floor B6 ー地下6階ー
『……流石に、少し暗いな……。』
そう呟きながら薄暗い裏路地を探索してみる。
……何となく。
そう、何となくだよ?
少し、少しだけ…怖くなってハンドライトを鞄から取り出してスイッチを押した。
ハンドライトはパッと点いて、辺りを明るく照らしてくれる。
『……これは…。
確かに、レイチェルを連れてこなくて良かった…。』
……本当に、レイチェルを連れてこなかったのは正解だと思った。
ハンドライトの青白い光に照らし出されたその光景は、とても13歳の少女には見せられるようなものではなかった……。
血だらけの裏路地。
ふと、先程の壁の貼り紙を思い出す……。
ー殺人鬼……ー
部屋には、紙が落ちていた。
何だろう…?
気になった私は、その紙を拾い上げて読んでみる。
『……裏路地の殺人…ねぇ……。
…まだ、幼いのに……。』
不快に思った私は眉根を寄せ顔をしかめてから、その紙を放った。
1つ溜息を吐く。
…何故、自分がこんなところにいるのかは、未だにわからないでいた……。