The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第12章 Master and servant ー主従ー
「……ザック‼」
「寄るな‼
殺すぞ……‼」
駆け寄ろうとしたレイに、ザックが一喝するように叫んだ。
「ほらね、
撃たれた痛みで、ちょっとは理性的になったみたいだけど、
これだもの‼
が、ま、ん……できないのよね?」
人を嘲笑うような笑みを浮かべて
からかうように言う。
「あぁ!?
人をイラつかせることばっか言ってんじゃねぇーよ‼
殺すぞ……‼」
「あはは‼
私は、本当のことを言っているだけなのよ?
それに、殺されるのは罪人であるあなたよ、ザック。
……ほら、レイチェル=ガードナー。
あなたに、これをあげるわ。」
女性は、防弾ガラスの向こう側に
ゴミでも放るかのように、乱雑に……
レイの足元に赤い拳銃を放り投げた。
「……それがあれば、あなた達は五分五分でしょう?
だから、さぁ……。
殺し合いをして‼
生き残った方を、もっと素敵に断罪してあげるから……‼
……悠の目の前で、ね……?」
最後の方は、私を見下ろして嘲笑うように言った。
……どうしたら、良いのでしょうか……。
私は、
どうしたら、正解なのでしょうか……。