The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第12章 Master and servant ー主従ー
「……見てご覧なさい。 この焼印……。
"悪魔崇拝"ね。
……あなたにも、同じものがあるのかしら?
セバスチャン……?」
「……お答えしかねます。」
「あらそう。
……ならいいわ。
この子、"モルモット"の次は、"貢ぎ物"だったのね‼
ふふ。
その次は、"生け贄"だなんて……。
とぉーっても、おかしいわ♪
なんて残酷な人生……。
最高よ‼
素晴らしい人生ね、悠……‼」
大きな声で愉快そうに笑う女性。
……ああ。
私は、また何も出来ないのか……。
情けないな……。
このまま、
何も出来ずに…。
ザックにレイを殺させてしまうのだろうか……。
……そんなの、嫌だ……。
視界がグニャリ……と歪む。
自分の目から、熱い液体が溢れて……
頬を濡らしていく……。
誰も、死なせたくないのに……‼
『っ……‼』
そんな私を、ザックがじっと見続けていた。
その瞳には、鋭さの中に、迷いが垣間見えた……。