The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第12章 Master and servant ー主従ー
……嗚呼。
……お嬢様が、危険な状態ですね……。
急がなくては……。
私は先を急いだ。
「……ああ。
アイザック=フォスター様。
そのようなところに座り込んで、何をなさっているのです……?」
「……あぁ?
うるせぇな……。
少し、疲れたんだよ……。」
座り込んで片あぐらをかく彼に声をかけると、
彼は気怠そうにそう答えた。
……嗚呼。
薬の所為ですか……。
全く。
無様ですね……。
「……そうですか。
では、私は先に参ります。
では、後ほど……。」
私はレイ様がこちらへ来る気配を感じながら、
そう告げて、その場を後にした……。