The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第3章 Floor B6 ー地下6階ー
そこで一旦言葉を切ってから、ふっと自嘲気味自嘲気味に笑う。
……黙って私の言葉を聞いていたレイチェルが、息を呑む気配を肌で感じつつ……、私はそのまま更に言葉を続けた…。
『……憎むべきは、罪であって…罪人ではない。
…"殺人鬼"に"殺人"の罪を与えるのは…等しく生まれた我々人類である…。
そう思っているよ。
私は、ね……。』
ふっと下ろしていた瞼を押し上げると、そこには複雑そうな表情を浮かべるレイチェルがいた…。
『……レイチェル。
これはあくまで、私個人の意見だから、君が何かを気に病む必要は無いんだよ……。』
「……うん。」
私がふわりと極めて穏やかに笑ってレイチェルの頭を優しく撫でると、不安そうな表情をしていたレイチェルはふっと穏やかに微笑んだ。
……安心したようで、良かった……。
『よし。それで良いよ。
…じゃあ、今度はこっちへ行ってみようか。』
「え……。」
ドアとは反対側の暗い裏路地のようなところを見つめる。
…すると、レイチェルは驚いたように目を丸くして、歩を止めた。