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The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第11章 Floor B3 ー地下3階ー






『……ん。
 いい子だね。

 ……さぁ、行っておいで、レイ…。
 後で、また会おう……。』


ふっと、安心させるように私は笑って見せたが、
上手く笑えただろうか……。

この先、レイが死んでしまわないか、不安で堪らない……。

それを、上手く隠せただろうか…?


「……おい。
 もう済んだか?

 ……ほら、もう行くぞ。」

「……うん。

 悠、また…後でね……。」


私達の会話が終わったのを見計らって、
女性がスピーカーから声を発した。


《……あらあら、残念ね。
 せっかく、悠やセバスチャンと一緒に……
 一生飼い殺してあげようと思ったのに……。

 ……でも、牢獄に入りたい時はいつでも言ってね?》


女性は、クスクスと笑いながら言って、
放送を切った。

……私は、その声を少し腹立たしく思いながらも、
ザックとレイの、その身長差のある2人の背中を見送った……。



……2人は、大丈夫だろうか…。

…いや、
2人なら……きっと乗り越えてくれる。

きっと、無事でまた会える……。


私は、そう信じた……。




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