The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第11章 Floor B3 ー地下3階ー
『っ……‼
そんなの、私が許さない……っ‼』
私が、思わずそう叫ぶと、
ザックも私に続いて叫んだ。
「入らねぇよ……‼
おい、レイ。
あいつの言うことなんかに反応すんじゃねぇ‼
早く行くぞっ‼
……悠。
絶対に死ぬんじゃねぇぞ。
後で、絶対に迎えに来てやるからな。」
最後の方は、私をじっと見つめて、
懇願するように、静かに言った。
『……うん。
大丈夫。』
1つ頷いてそう言うと、
ーガシャンッ‼ー
「……悠を、置いていきたくない…‼
置いていけないよ……。」
レイが私の方へ駆け寄ってきて、
それから鉄格子をガッと掴んだ。
そのまま、心配そうに私を見上げる。
『……心配しないで、レイ。
私は大丈夫……。
だから、ザックと行って……?
絶対に、また会えるから……ね?』
私は鉄格子の隙間から手を伸ばして、
そっとレイの頭を撫でながら、諭すように言う。
……当のレイは、
不安そうな表情をしつつも、ゆっくりと頷いてくれた。