The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第11章 Floor B3 ー地下3階ー
「あぁ?
まだあんのかよっ‼」
《そうよ、ザック。
こんなのは序の口……。
これから先に進むと、たくさんの辛〜い刑罰が、
あなた達2人を待っているの‼
だから…そう……__
"牢獄"に入るのはどうかしら?
ゆっくりと己の罪を見つめなおす、有意義な時間を過ごせるわよ。
…それに、牢獄に入れば、素敵な飼い殺し生活が待っているの‼
……ねぇ、どうする?》
ーギリッ……ー
女性の、相手をからかうような、
嘲笑うような……。
そんな笑いが混じった口調に、私は歯を食いしばった。
女性のそんな言い様に、
とてつもなく腹が立った。
拳を作ってグッと力を込めて握りしめると、
掌からはじんわりと……うっすら血が滲んでしまった。
……今日は、感情的になりすぎて怪我をしすぎだな…。
私は、そんなことを考えていた。
……と、その時、
レイの声が私達の鼓膜を小さく震わせた。
「牢獄で、一生……。
すぐに死ぬわけじゃないの……?」
《……あら…………。
レイチェルは入りたいのかしら?
もちろん、1人で入っても良いのよ?
あ、悠達と一緒でも良いけれど??》
レイのそんな言葉に、スピーカーから
ークスリ…ー
と、小さく笑う声が洩れ出た。