The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第11章 Floor B3 ー地下3階ー
《…うふふ……。
____私は断罪人……。
……あぁ、罪深き悪人ども。
許されるまで痛めつけてあげる。
私は、それが許された人間なのだから……‼》
女性はうっとりとした、自分に陶酔するような声を零して、
ほぼ一方的に話していた放送を、自分勝手に切った。
「……あぁ? つまり……。
…………どういうことだ?」
『ぶっ……。』
私はザックのそんな言葉に、思わず噴き出してしまった。
「……何笑ってんだよ、悠‼」
『ごめん、ごめん。』
尚も笑いながらそう返すと、
ザックは私のことを諦めて愚痴を零した……。
「……あぁっ‼マジでなんなんだよ!?
癇に障る声で好き勝手言いやがって……っ‼
なんで俺が罰を下されなきゃなんねーんだ。
寝言は寝て言えよ‼」
ザックが叫ぶも、
もう女性の返答はない。
「……罪人…………____」
『……え?』
私は、レイの言葉に思わず小さく声を洩らした。
……だが、どうやらレイには私の声が届かなかったらしい。
レイは文句を言うザックを見つめていた。
……きっと、
レイのそんな小さな呟きは、苛立っているザックの耳には
おそらく届いていないのだろう…………。