The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第11章 Floor B3 ー地下3階ー
「……危ないところでしたね、お嬢様。
危うく、蜂の巣になってしまうところでした。
……ですが、いきなり何十発もの弾丸ですか…。
……全く…。本当に、人間の考えることは面白い……。」
『そんなことを言っている場合か。
降ろして。』
俺とレイの背後から声が聞こえて、
ハッとして、俺はすぐさま振り返る。
すると、そこには…、
しつじと、しつじに抱き抱えられた悠がいた。
「悠……。
怪我は…ねぇのか……?」
しつじに降ろされた悠は、
俺の声に反応して顔を上げた。
それから、肩をすくめてこんなことを言う。
『……ね?
うちの執事は、万能だろう……?』
そう言ってから、悠は微かに微笑った。
…………俺は、
しつじに負けてしまったみたいで、
何だか悔しかった……。