The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第11章 Floor B3 ー地下3階ー
……と、その時……
ーウィーン‼ー
ーウィーン‼ー
けたたましい、
大音量のサイレンが鳴り響いた。
「……あぁ!?」
『な、何…この音……!?』
「……!?」
耳を塞いだ悠と、
ぼーっとしているように見えるレイ。
ー……カチャリー
「っ……!?
おい、下がれ‼」
うるせぇサイレンに混じって、
何かが動くような、金属音が聞こえたような気がした。
レイと悠に手を伸ばして、
レイは引き寄せることが出来た。
……が、悠にはギリギリ手が届かず、
俺の手は空を虚しく掻いた。
__っ……‼
間に合わねぇ……っ‼
次の瞬間……
悠がいる場所には、何発、何十発……。
ひょっとしたら何百発かもしれない…。
とりあえず、たくさんの銃弾が一斉に放たれた。
「悠……っ‼」
……ところが、
悠の姿は、そこにはもう無く……
悠は忽然と姿をくらませていた……。